妄言やらくがき等

2023年6月16日の投稿1件]

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バウワウを読み返しつつ書いた時系列メモ
こうやって見ると2日3日の間にほぼすべての事件が起こってて忙しい。というかたった2日で北区画と南区画壊滅させてる狗木がすごすぎる。でも狗木は西に拾われてからの5年間ほとんどその日のためだけに準備してきたんだろうしなあ。
でも結果的に東区画が北と南の利権攫っていったのわりと構図がグロくて好き。まあ狗木の目的は別にそこではないんだろうけど…。でも東区画は全部知った上で動いてないとそんなあざとい真似できないし、それが下巻で戌井の「俺は最初から東区画とグル」発言で回収されるのも気持ちいいんだよな。多分そのこと気付いてなかったの狗木だけだから本当に可哀想だよ。

長くなったので畳む

バウワウって結果的に戌井が狗木の計画を邪魔した形ではあるけどそもそも先に戌井のこと利用して陥れようとしたのが狗木とイーリーの側であって戌井って別に自分からは何もしてないんだよな。逃げてるだけで。
ただ狗木にしてみれば葛原さんが最初に戌井のこと逃がしちゃった時点で戌井に計画がバレてるから結構詰んでるし、戌井にしてみれば西から逃げ切ってケリーちゃん(島で最大の影響力を持つ人間)に接触できた時点でほぼ勝ちではある。狗木は最初から選ぶ相手が悪すぎる。
でも戌井がワゴンのある場所まで行けたのはユアちゃんが抜け道を知ってたからだし、ユアちゃんが最下層にいたのはそもそも狗木から逃げてきたからだし、このへんの作劇のロジカルさというかキャラクターの使い方の無駄のなさみたいなのはやっぱりすごく面白いなと思った。成田作品の魅力がそこだと言われたらそうなんだけど…

考えれば考えるほど戌井があのまま冤罪被るメリットも狗木に個人的に接触するメリットもあんまりないな。嵌められてムカつくからっていうのはわかるけど。それならラジオで全部喋ればいいのに何も言わないし、そのことに関しては「俺はもう勝ったから気が済んだ」の時点で許してるような気もする。
最後の二人の殺し合いって本当に葛原さんの言う通り「無意味な殺し合い」でしかないんだけど(戌井がケリーちゃんに全部喋った時点でお互いを殺す意味ってもうあんまりないから)その無意味な部分をなんか男二人の物語性と感情のデカさだけで乗り切ってそこを位置エネルギーの頂点に据えてるところもなんかすごい。ほとんど力技で…。でもそれがB級感と共に妙な爽快さも生んでいてエンターテインメントとして良いバランスになってるんだよなあ。天才の小説かもしれん。畳む

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